【2025年版】冒険したい時に読みたい、知らない異国の風を感じるマンガ6選

ファンタジー、異世界、転生などなど…冒険を題材とする作品は数ある中で、"異国"に注目してピックアップ。
アジア、ヨーロッパ、架空の大国…その中でおきる人間ドラマ、ミステリー、日常。
いずれも緻密に描かれ、長い時を見せてくれるそのストーリーは、大河的でロマンにあふれた作品たちだ。
没入感たっぷりの冒険をしてみませんか?

薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~

原作:日向夏 / 作画:倉田三ノ路 / キャラクター原案:しのとうこ

 大ヒットラノベのコミカライズ。
 とある大国の後宮に売り飛ばされた薬屋の少女・猫猫(マオマオ)が、持前の薬屋の知識をもって難事件を解決する、大人気の異色ミステリー。
 好奇心と探求心で毒をも飲むほどの度胸とタフネスを持ち、身分を顧みず、ズバリと切り込み事件を解決に導く様が爽快。
 どこの国とはいわずとも、後宮内・外での生活まで丁寧に描かれており、異国情緒にあふれている。
 説得力のあるストーリーラインは没入感も得られ、いつのまにか夢中に!

(C)日向夏・倉田三ノ路・しのとうこ / 小学館 

天幕のジャードゥーガル

著:トマトスープ

 イラン東部、奴隷市場で学者の家系である女・ファーティマの家に引き取られた孤児・シタラ。
 シタラは笑顔ばかりは素敵だったが、勉強の才能はないといわれてしまうのだが、本人は自分の立場や状況にイラ立ち、無き家に帰りたいと嘆いていた。
 ファーティマはシタラを大切に育て、信頼を築いていく。しかし、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」が起こす戦火に巻き込まれてしまう…。
 かわいらしい絵柄だが、突然の理不尽や戦争の残酷さを丁寧に描き、それでもなお強く生きようとするシタラの大河的なドラマに毎話胸を打たれることだろう。

(C)トマトスープ(秋田書店) 

アルテ

著:大久保圭

 16世紀初頭・フィレンツェ、芸術など文化活動が花開いたルネサンス発祥の地が舞台。
 華やかなる時代に、貴族家生まれの少女・アルテは画家工房への弟子入りを志願する。
 しかし、その時代に女性がひとりで生きて行くことに理解のなかった頃、様々な困難が待ち受ける。
 自由に生きる事ができないのか?女性だから己の道を歩めないのか?
 世間の目や生き辛さを感じながらも、懸命に画家への道を歩むアルテの成長物語は、読む手が止まらない濃密さだ。

(C)大久保圭/NSP 2013 

北北西に曇と往け

著:入江亜季

 舞台はアイスランド島。この北欧の大地で、17歳の主人公・御山慧は様々な依頼をこなす探偵をしている。
 愛車ジムニーを駆りながら、あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す、胸のすくような探偵活劇を描いている。
 圧倒的な画力と繊細なタッチで描かれる北欧の景色と生活、男、美女は、鼻をつくような冷たい風や美しく厳しい雄大な自然を感じさせる。
 現代劇としてのこの作品は、ロマンと人情にあふれている。

(C)Irie Aki 2017

イノサン

著:坂本眞一

 パリ全土の処刑人の首領、"ムッシュード・パリ"の息子・シャルル-アンリ・サンソン。
 死刑執行人を務めるサンソン家四代目の当主。
 誇り高き一族だが、死刑執行人ということから死神だと忌み嫌われる運命を呪うシャルル。
 正義というならば、なぜこんなにも嫌われなければならないのか?なぜ人は人を殺す必要があるのか?
 その過酷な運命に気高く立ち向かった“純真”を描く、歴史大河作品となっている。

(C)坂本眞一/集英社

チ。―地球の運動について―

著:魚豊

 舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想に敏感で、火あぶりに処せられていた時代。
 主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定だったのだが、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった。
 少年ラファウが残した"真理"は、時を超えて世界を動かす…
 夜のその星は動いているのだろうか?それとも自分たちが動いているのだろうか?
 これは、禁忌の異端思想の向こう側にある、ひとつの"真理"を追い求める人々の思いが紡がれる激アツ大河ドラマだ。

(C)魚豊 / 小学館