昨今では、昭和・平成・令和と元号を用いた流行や考え方の例えられたり、表現について考える場面が多くなりましたね。
新しい考え方に触れることも、「アップデート」と言われるような場面も。
SNSなどの復旧により、様々な考えがさらに近く聴こえるようになったことで、各々のスタンダードの姿が見えてきます。
漫画作品の中でも、この様々な考え方を題材または表現した作品はたくさんあります。
読めば読むほど面白い世界が広がり、固まっていた自分の考えに気が付かされることも。
ヒューマンドラマとしても魅力的な作品たち、チェックしましょう。
※もちろん、紹介する作品の主題がそうであると示しているわけではないのであしからず。
おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
著:練馬ジム
堅物で不器用な今を生きる父・誠が、悩みを抱えた家族に向き合翔い、成長するために奔走するヒューマンドラマ。
息子の翔には美容の趣味があり、学校でも人間関係でもうまくいかず、考え方が凝り固まった誠の物言いにうんざりしていた。
小さな頃から「男らしく」と教育してきた誠は頭を抱えるが、不器用ながら少しずつ考え方を改め寄り添っていくことに。
様々な考え方をする魅力的な登場人物と誠との会話には、自分も同じ事を考えていたかもとか、いつのまにか傷つけていたのかもと気づかされる事が多いです。
全てを否定するのでもなく、こう考えたら前向きになれるかもとか、平たく教えてくれるような気がします。
そして、物語としてもついつい読んじゃう漫画です。
(C)Zim Nerima/LINE Digital Frontier
おじさんはカワイイものがお好き。
著:ツトム
イケメンで仕事もデキる小路課長の趣味は―――かわいいキャラクターの「パグ太郎」!
しかし、「かわいいもの好き」がバレてはいけないと、こっそり趣味を楽しむ日々。
かつてこの趣味を笑われた過去があり、誰にも打ち明けられないでいた。
かなりコミカルに、コメディとして描かれる作品だが、こちらもまた世の中もしくは各人の偏見に葛藤する作品でもある。
「ギャップ萌え」というジャンルもあるが、そこにはその人の悩みがあるかもしれない。
(C)ツトム/COMICポラリス
不可解なぼくのすべてを
著:粉山カタ
女子の制服を着て学校に通う高校生、もぐもは自分の事をわかってくれる友達がほしいと願っていた。
その悩みを助けたいと同じクラスメイトの哲に誘われ、カフェでバイトする事に。
そこは『男の娘カフェ』…しかし、もぐもは男の子でも女の子でもないと―――
キュートな絵柄から放たれるのは、率直な悩みに葛藤する一人の高校生の物語。
性別をどちらかに決めなければうまくいかないような世の中の気がして、どちらでもないと認識しているもぐもと寄り添う哲は様々な考え方に直面する。
ストレートでハッキリと考えを言えるもぐもの強さと、解決しようとする哲のまっすぐな心にハッとさせられます。
萌えとかかわいいとか、一言じゃ語りつくせない作品。
(C)粉山カタ/GOT
きのう何食べた?
著:よしながふみ
史朗と賢二の二人暮らしを、丁寧に優しい献立と共に描いたヒューマンドラマ。
大人の二人の暮らしぶりはマイペースだけど愛があり、まわりに振り回される事があれど、パートナーを信じて助け合い生活する。
どれだけ悩んでも、おいしい食卓があるそこは帰る場所であり、心休まるひと時である。
思い返すと、あの夕飯はおいしかったとかそういう何気ない思い出に幸せを感じる事に気づかされるような、心あたたまる作品だと思いました。
(C)Fumi Yoshinaga/講談社
彼女とカメラと彼女の季節
著:月子
代り映えのしない毎日を送るあかりは、高校3年生になった春、二眼レフを構える美少女・ユキと出会い世界に輝きを取り戻していく。
奔放的でカメラを離さないユキに振り回されるあかりは次第に興味が強くなって…
青い想いが交錯する、片想いの恋愛物語。
美しく描かれる恋模様は、巻を追うごとに変化し、最後には全てを巻き込んでカタルシスへ昇華される。
好きな気持ちと向き合う事で気が付く事がある、甘酸っぱく、語り掛けてくるような作品。
(C)Tsukiko/講談社