新世代ラブコメ注目作!取り違えから始まる『カッコウの許嫁』の恋と運命の行方が見逃せない!

ヒロインが複数登場するラブストーリー。
それは様々なタイプの女性にときめきを感じることができ、最後は誰と結ばれるのかと、物語の展開も盛り上がる。
しかし、選ばれる相手によっては応援しているヒロインが失恋の痛手を負いかねない、天国と地獄のデスレース…(※筆者の個人的見解です)。

もちろん登場する全員の女性に愛され囲まれて……なんて展開もアリですが、近い将来に事件へと発展しかねないかも…(※あくまで筆者の個人的見解です)。

なによりも、一途じゃない優柔不断な男になんて、大事なヒロインの幸せを任せられない!という、そこの昭和のお父さんみたいな男らしいあなた!
今おススメの『カッコウの許嫁』はもう読まれましたか?

当作品で、主人公:海野凪くんに「運命的な」急接近をするのは超可愛い!魅力的な3人のヒロインたち。
もしかして泥沼……?と思いきや、どっこい誰も不幸になりそうな気がしない!
底抜けに明るくって、面白いんです!
読者が選ぶ注目作として、次に旋風を巻き起こすのは確実と呼び声も高いラブコメディ。
本作の人気の理由を解析しちゃいます!
一時期ニュースにもなった「新生児の取り違え」。
高校2年生の海野凪は、自分が別の家庭と取り違えられた子であることを知り、物語は始まります。
定食屋を営む家庭で育った凪ですが、本来の自分の親はなんとホテル王で大富豪!
しかし16年の歳月は彼にとってかけがえのないもの。
「今の家族と離れるつもりはない!」と、本当の両親に告げるつもりで面会へと赴く道中、ちょっぴり破天荒だけど、SNS の有名人でもある美少女天野エリカに出会います。
もう、勘の鋭い読者の皆さまならお気付きでしょう、この天野エリカこそが「自分と取り違えられた相手」だったのです!
さらに驚く間もなく、互いの両親からとんでもないオーダーが飛んできます。
ノリが軽~い!でも、ラブコメディはこうでなくっちゃね!
「私たち、実の子も、育ての子も大切なの。だから、二人が結婚しちゃえば、二人とも自分たちの子になるって発見したのよね!」

と、なんということでしょう。互いの両親のノリノリな決定により、突然、二人は許嫁関係に!
しかもまずはお互いを知ってほしいというエリカ父の計らいにより同棲生活まで始まってしまいます。
しかし、そんな様子を面白くないと思ってしまうのが、凪の義妹、海野幸。
凪にとっては、16年一緒に育ってきた仲の良い妹ですが、取り違え子の彼とは血縁に当たらないことがわかり、その関係にも変化が起こります。
エリカと幸。本来は一つ屋根の下で育つはずだったこの美人姉妹が、凪が取り違え子であることの発覚により、突如「ごく身近な存在」へと運命的な急接近!
しかしそこにあるのは両親の取り決めであり、家族への親しみでありと、恋愛的な感情ではないためドロドロしていないし、むしろこの姉妹、仲が良くってほほえましいんです。
と、不可抗力でこんな可愛い姉妹に囲まれることになった凪。
この3角関係だけでも十分見応えありですが、話はさらに盛り上がり、彼が心に決めている第3のヒロインまで登場しちゃいます!

✔王道なのに展開は意外、先の読めないストーリー!

実は大変な勉強家でもある海野凪は学力テストで学年 2 位の実力の持ち主。
彼が勉強を頑張る理由こそが、こちら学園一の才女であり、憧れの人である瀬川ひろを抜き、学年トップを獲るためなのです。
この第3のヒロイン、ひろときたら、学年トップに加えて美人で、スタイルも運動神経も抜群!
しっかり者で凛々しいけれど、ちょっとドジっ子で、実家は神社のために帰ったら巫女服という……ね。
完璧すぎて「好きなもの全部乗せちらしずし」と名付けたい。
これは惚れてしまうのも仕方がありません。
それならば、物語は凪とひろの王道ラブストーリーで進むのかと思いきや……
完全にスポ根マンガのライバル扱いをされてしまいます笑。
むしろエリカとひろの方が仲良しに……。

取り違え子、親の決めた許嫁、血の繋がらない妹に、憧れの女性。
一つひとつの要素は決して珍しくはなく、むしろ王道とも言えます。
しかしそれらを組み合わせ、読み手も予想もしないような展開に発展させる手腕は本当にお見事。
それでいて、主人公との距離は近くとも、登場するヒロインはまだ誰も恋を知らないというアンバランスな状況。
テンポよく話が進んでいく中で、いつ暴発するかもしれない恋の時限爆弾に、いよいよ目が離せなくなっていきます。

✔まだ恋を知らない 3 人のヒロインに心が揺れる!

……どうしよう、3 人浮かんじゃったよ!?
作者は今注目の俊英、吉河美希先生。
連載デビュー作『ヤンキー君とメガネちゃん』より、躍動的でいて、エネルギー感溢れるヒロイン描写が魅力的な作家さんです。
特にここぞというときに大きく描かれる女の子は、まるで両腕に飛び込んでくるような近さを感じさせ、読む人の脈が乱れること間違いなし。
ドキリとさせる表情に、思わずページを捲る手が止まってしまうことも!
凛々しいひろのあどけない顔、常に活発なエリカの大人っぽいまなざし、やっぱり年下らしい幸のむくれた表情もまた可愛い。
それぞれのめまぐるしく変わる表情が、ドラマな場面を一段と盛り上げます。
ヒロインたちの愛らしい描写に主人公である凪だけでなく、読者も一途じゃいられない?
コミックスでは私服姿も登場するので、個性が活きるファッションの違いにも注目です!

✔「生まれ」か「育ち」か、運命の行方は?

もし、生まれが違ったら、今とは異なる人生を歩んでいたのかな。
そんな風に考えたことはきっと誰にでもあるのではないでしょうか。
新生児の取り違えから始まる『カッコウの許嫁』だからこそ、この「運命」という言葉がストーリーのキーワードになっています。
読んでいて気持ちが良いのが、凪がよく口にする「海野家家訓!」という掛け声。
本当は富豪の家に生まれるはずだった彼ですが、今は定食屋の息子として、明るい両親に育てられたこと、そしてそれを誇りに思っていることが伝わってきます。
一方、ホテル王の一人娘として生まれたセレブなエリカは、やり手で強引な父に押し付けられる生き方に、ちょっと辟易している様子。
また厳粛な神社の家系に縛られるひろも、自分の運命には葛藤しているようなのです。
生まれによって運命は決まってしまうのか?
大なり小なり、多くの人が共感するテーマだからこそ、取り違え子である凪のまっすぐな生き方や、考え方は登場するヒロインにだけではなく、読者にも小さな勇気を与えてくれます。
4人の恋の行方も気になりますが、それぞれが持つ葛藤や運命にどのような「答え」を出すのかも見放せません。
当作品は現在も講談社の週刊誌『マガジン』で連載中ですが、キャラクターの誰もが明るく、話が前向きであることから、結末がどう進むのであれ、きっと最後はみんな笑っているはず!と、不思議な安心を感じさせてくれるのもいいですね。
王道の設定にときめきつつ、けれど展開は意外で爽快!
人気が出るのも納得の作品なのです。
ネクストブレイク間違いなし!と噂される『カッコウの許嫁』。
流行を先取りして、4人の恋と運命の行方を見守ろう!

▼ 作品情報 ▼

カッコウの許嫁

著者:吉河美希


(C)吉河美希/講談社