思春期爆発!”性”にふりまわされる若者たちの息を飲む青春群像劇『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の読むべきポイント!

なんだかイケナイものを読んでいるような…
思春期爆発!何気ない事にも“性”に振り回される彼女たちの様子は、時に甘酸っぱくて、苦しくて…
息を飲む青春群像劇!!
頭に駆け込む感情が溢れて止まらない!
育ち盛り、まだまだ子供で、でも身体は成長をしていって…少しの事で汚れてしまいそうで、こわい。
そんな不確かな感情を抱いていた思春期のあの頃を思い出す作品です。
性を意識してしまうこの感情は汚いものなのか?
顔を覆いたくなるようなかっこつけも、失敗も乗り越えて大人に近づいていく。。
その過程をあたたかいながらも、美しい絵柄で紡がれていく青春群像劇。
まるで小説を読んでいるような演出と物語に没入感満点です。

文芸部・5人の恋と性とプライドの物語を読んでください!

✔何故かこんなにも胸が苦しい

若さ故の葛藤、自己嫌悪、それらを乗り越えて大人になる
本作では、思春期特有の感情というものを特に大切にし、表現されています。
読めば読むほど、なぜこんなにも胸が苦しいのでしょうか。
それはトキメキでもあり、恥ずかしさでもあり、葛藤でもあるかもしれません。
共感と学生恋愛の物語、それほどまでに感情移入します。
ドキドキとハラハラともどかしさが入り混じったこの作品の醍醐味でもあります。

よく”天然”とか”子供っぽい”とか言われている母も、ソレを通過したのだ。
そして、ドンドン成長する幼馴染。素直になれずすれ違う気持ち。
何気ない日常にも得たいの知れないその感情に振り回される。
あったかくて、せつなくて、青い物語
これを読んでアナタは何を想う?

✔潔癖な自分 対 欲望

友達から”異性”になる瞬間、心とのギャップをどう乗り越えるのか?
これはある意味バトルです。
それは誰もが通る道でもありますね。
意識すればするほど、異性に対する、想う人に対する感情は膨れ上がり、やがては欲望も生まれます。
うまく飲み込めない幼い感情とは裏腹に、自分の中の潔癖な自分のプライドが汚す事を許さない。
想えば想うほど、人によっては自己嫌悪するし、奥手になりがちです。
そんなすれ違いをし続ければだれかに取られてしまうかもしれないという焦りも、一大事件なのです。
この感情は本当に汚いものなのか?純愛ではないのか?
その葛藤はまさに自分との戦い。

そんな複雑な戦いを綺麗に、正直に描いています。
直接的な表現は避けつつも、登場人物のその想いや欲望は丁寧に描かれているのが印象的です。
だからこそ「一度は読んでほしい!」おすすめの漫画作品です。

▼ 作品情報 ▼

荒ぶる季節の乙女どもよ。

原作:岡田麿里 / 著者:絵本奈央


(C)岡田麿里・絵本奈央/講談社