【マンガのおすすめ神回】デカ過ぎんだろ…の元ネタ『新テニスの王子様』29巻 「Golden age289 プロの次元」(289話)は激熱展開すぎて神回だった。

※この記事は、あくまで筆者の個人的な考察や感想です。おすすめのマンガの面白さが伝われば幸いです。
インターネットミームとして、漫画の一部のコマを切り抜いて有名になることがある。

『新テニスの王子様』29巻に収録されている、「デカ過ぎんだろ…」で有名な「Golden age289 プロの次元(289話)」の話はご存じだろうか。
コマだけだったらSNSや掲示板、インターネットコミュニティで見たことがある人もいるだろう。
内容を実は知らないという人も多いのではないだろうか…。それはもったいない。
「デカ過ぎんだろ…」のコマだけで見るとギャグのようで面白く見えてしまうが、その中身は激熱なストーリーが展開しているのだ。

物語はU-17W杯・ドイツ代表 VS日本代表の第二試合。
中学生と高校生で構成された日本代表の前に、若くして現役プロの最強ダブルスチームが立ちはだかる。
U-17W杯ドイツ代表からは、ダンクマール・シュナイダー、ベルティ・B・ボルク。
U-17W杯日本代表は、仁王 雅治(中3)デューク渡邊(高3)のダブルスだ。
観衆も、現役プロ相手では日本は捨て試合だと言われるほどの逆境。

しかし、「コート上の詐欺(ペテン)師」と呼ばれる仁王 雅治は『イリュージョン』によって、U-17日本代表のNo.1の実力者「平等院鳳皇」を再現する。
日本最強のダブルスを仁王のイリュージョンによって再現、日本代表としてはとっておきの搦手だったのだ。
現役プロ相手に互角に渡り合うU-17日本代表チーム。
ついには日本が1セットを奪う!能力を活かしてダークホースなるか!?と胸が熱くなる展開だ。
そして、ダンクマールのサーブからはじまるセカンドセットーーーついにあの場面…

そこには前振りなく突如、見開きでとてつもなく大きくなったダンクマール・シュナイダーの姿。
イリュージョンにより平等院になった仁王が「デカ過ぎんだろ…」と一言。

この絵だけを見るとシュールに見えるが、決してダンクマール・シュナイダーが生物的に肥大化したわけではなく、プロとしての圧倒的気迫、プレッシャーがそう見せているのだ…ということだ。
あきらかにベースラインを踏み超えているように見えるが、それはその圧倒的なプレッシャーによるもの。
つまり現役プロによる、規格外の迫力ということだ。
その後もサイズ感が変わらず、見下ろす事によって有利をとる場面もあるが、そう"見せている"のだ…。

そして、その巨体から放たれるサーブも驚くほど速度と威力。
元フランス代表の「破壊王(デストロイヤー)」と呼ばれるデューク渡邊でさえ受け止めきれずに吹き飛ばされるほどだ。(!!)

イリュージョンによる平等院を再現した『世界の技』を繰り出すも通用せず追い詰められる仁王とデューク。
圧倒的パワーを誇る「デュークホームラン」でさえ、受け止めて吹き飛ばされたベルティ・B・ボルクを、大きくなったダンクマール・シュナイダーは腹で受け止める。ダンクマールは生物的にデカくなっているわけではない。
―――つまり、対策されているのだ。
それほどの力の差、さすがこの大会最強ダブルスと言われる二人だ…。
読者としては、ここでこのパワーをみせられてしまうとどのように攻略するのか、スポーツ漫画らしい熱がこみあげてくる激熱展開なんです。
(そういえば、ダンクマールがデカく見えているのに試合は何事もなく進んでいるが、そんな状況にも動じず公平に判定できる審判も只者ではないのだろう…)

「Golden age292 最期のイリュージョン」では、仁王が平等院鳳皇のイリュージョンをやめ、ギリシャ代表のゼウスや、オーストラリアのノアなど様々な世界の強豪になるのだが、「テニスAI」と呼ばれるベルティ・B・ボルクも即座に対応。
一進一退の攻防を繰り広げることとなる。
ここまで読むともう30巻が気になるだろう。いったいこの最強ダブルスをどう攻略するのか…。
シュールなギャグな場面に見えてしまう「デカ過ぎんだろ…」の名シーンだが、そこには激熱神回があるのだ。

ちなみに、このシーンはアニメ化も果たしているが細かなセリフが変更されていたりなど、賛否両論があったようだが、動いているところを見られるのは嬉しいところだ。

【今回のおすすめ漫画】新テニスの王子様 / 29

著:許斐剛
雑誌:ジャンプSQ.
出版社:集英社
レーベル:ジャンプコミックスDIGITAL