超濃厚な友情ドラマに涙・新時代の不良漫画『東京卍リベンジャーズ』の魅力とポイントを読み解いてみた。

実写映画化・アニメ化も決定して人気が止まらない『新宿スワン』作者の和久井健が贈る、最新巨編!
冴えないフリーター花垣武道がかつての彼女、人生唯一だった彼女が殺された事を知る…
色褪せた日々に落胆しながら生きる毎日…そんなある日、武道は12年前にタイムリープする。
というところから物語がはじまります。
12年前にもどった武道は、殺された恋人を救うために動きだし、運命を変える決意をする。
王道のタイムリープ物でもあり、徐々に成長し男として強くなる。
ジェットコースターのような激熱ストーリーが待っているんです!

そんな『東京卍リベンジャーズ』のみどころを読み解いていきます!
輝かしい全盛期も思い起こせば…
人生どん底・ダメフリーター花垣武道、いま思えば中学2年が全盛期だったと感じる中、突如タイムリープ!!
全盛期だと思っていた中学2年の武道はダサいヤンキーだった!!
ガチの暴走族にボコボコにされそこから東京卍會の下っ端としていいように使われる日々になるのだった…
これが思い出補正…苦い過去も笑い話になんて思っていたけど、過去なんてこんなものだったのか…
健気な日向に武道はあの頃の”気持ち”を思い出す
“東京卍會”、タイムリープ前にかつて付き合っていた人生唯一の彼女・橘 日向を殺害した暴力集団の名前だった…!
つまり、日向が巻き込まれたのは12年後に大きくなったこの東京卍會のせいだったのだ!!
そして日向に会った武道は、めちゃくちゃ好きだった事を思い出し涙…
日向の弟・ナオトと協力し日向を助ける!!
全盛期が実はダサかったという思い出補正と、涙がでるほど恋焦がれた彼女との想い出…をうまく絡ませながら思春期時代を表現し、武道目線で進む冒頭からの流れにグッと惹き込まれます。
日向の弟・ナオトとの接触による未来と過去を行き来できる能力を知り、物語は複雑に展開していくのです。
無念の死を遂げた日向を救うため、二人は協力し、過去を変える運命の物語がスタートするのです!

✔見えてくる過去と真実

未来を変えるためにした行動から総長マイキーに気に入られる
怖いから、つらいから逃げてばかりの武道は過去を変える事を決意し、過去の「東京卍會」のトップに会おうとする。
中学生とは思えない恐ろしい先輩からボコボコにされても諦めずしがみつく武道。
その様子に冒頭のヘタレた姿は見えない!
そんな様子に総長の”無敵のマイキー”に気に入られる事に…!
ここから物語はさらに加速するんですが、合わせてあまりにも優しく人情溢れるマイキーたちを見て
なぜ未来は一般人をも巻き込む極悪集団になってしまったのかという謎も現れる…

読めば読むほど出てくる真実と伏線、そして武道の成長物語、大河ドラマ的でもあるのが本作のポイントのひとつです。
過去と未来の真実とドラマが目をくぎ付けにするんです。

✔友情と愛のカタルシス

決意は力となって、武道を成長させる!!
タイムリープものであり、いわゆる喧嘩漫画の本作ですが、そこには喧嘩一本では語りつくせない魅力があります。
“無敵のマイキー”、”唯一の彼女・日向”を主軸に展開する友情と愛、そして張り巡らされた伏線を回収するとき、言い表せないカタルシスを体験します。
正義と悪というだけではなく、各々が譲れない信念と因縁を抱き葛藤してぶつかり合う。
変えた過去も、悪い方向にも良い方向にも転がってしまうという特徴を活かしつつ、不良たちのそれぞれの思惑や繋がりを通して物語が展開するんです。
大悪党だと思えた人物も、その背景と裏側に秘めた想いを知るときあなたはどう思うでしょうか。
武道が強くなるたび鳥肌が!!
何より、どんなに悪い事だとしても貫き通す信念はカッコイイと感じますね。
それは未来の武道が”逃げ回っていた”とはまるで反対の構図となっています。
武道自身も成長していくにつれて、自分の想いを貫くべく正面からぶつかり合う!!
これは正真正銘・熱くて不器用な”漢”たちの想いを伝える喧嘩であり、成長物語…
読んでいて胸がアツくなります。

✔魅力溢れる登場人物

マイキーのカリスマ性に震える…かっこよすぎる!!
この作品の”熱さ”を盛り上げてくれるのはなにより濃厚なキャラクターたち。
成長する事で成り上がり的な熱さをぶつけてくれる武道
絶対的なカリスマ・マイキー
頼れる兄貴分・ドラケン
正義感のつよいヒロイン・日向
姉を絶対救いたいと願うナオト
と、主役周りでもガッツリ個性のたった構成になっています。
仲間たちとの絆・友情に熱くなる!!
読んでいくうち壁となって立ちはだかる敵対人物たちとその背景も奥深く、主役たちに負けない個性と信念を持っています。
悪役は悪役として強烈に描かれた本作ではそれも魅力的に感じるほど作り込まれています。
筆者はマイキーの強すぎるカリスマ性に魅了された一人ですが、対抗する不良たちにも涙する場面も…
一気に読むのはもったいないとさえ思いますが、一度読み始めると止まりませんよ。
カッコよすぎる男たちの物語を目に焼き付けてください。
ラストは一体どうなるのか…気になりすぎる!!!

▼ 作品情報 ▼

東京卍リベンジャーズ

著者:和久井健


(C)和久井健/ 講談社