悩みを抱えた母親たちは運命の泥沼にハマり、抜け出せなくなってゆく…『恋する母たち』ってどんな作品??

2020年秋のドラマ化作品『恋する母たち』を読み解いていきます!
この物語の主人公は名門の私立学校に通う子供を持つ母親たち3人…
実はワケあり、崖っぷちな3人が集まったとき、物語は動き出す。
どうにもならない寂しさと、欲しているぬくもりと、葛藤。
柴門ふみ先生が描く、恋をする母親たちのヒューマンドラマです。

主人公の母親たちはそれぞれ全く違う環境と悩みに打ちのめされる。
夫を忘れられないシングルマザー、引きこもりの息子を持つキャリアウーマン、夫に不倫をされて息子の成績に悩む母… 3人は成績不振から学校に呼び出されることで出会い、助け合うことに。
それぞれがまったく別の価値観を持ちながら、やがてお互いの悩みが絡んでいく…
平凡で幸せだった日々が崩壊、突如失踪した夫…
高スペック夫と家族との日々に満足していたのに不倫され…
仕事に生きる母は息子との距離を感じて…
ただ優しくしてほしかっただけなのに、ただ幸せであればよかったのに、、、
時に愛情を、時に劣情を抱きながら母親たちは戦っている。
柴門ふみ先生の描く、母親たちの心情と様々な角度からの価値観。
共感できる事もあれば、新しい価値観に触れる事もあるかと思いますが、だからこそリアルに心に刺さります。
ひとつひとつの出来事と見えてくる心の穴、まさにヒューマンドラマ。
読みはじめるといつのまにかのめり込んでしまいます。
もしかすると、こうやって葛藤している母親は多いのかもしれない。

✔たどりつくのは幸せか不幸せか…

悩みを抱える3人は思わぬ形で出会う…
外側から見たら幸福な家庭に見えるかもしれないが、本人たちの状況はそうでない事も…
子供たちへの不安からなのか、欲求不満なのか、刺激がほしいのか。
危うい道に踏み外しそうになりながら、自分の心と戦い、時には家族を想いうかべて問題を乗り越える。

笑顔の奥には悲しみの涙も滲んでいる事もあるんです。
その乗り越えた先は幸か不幸か…考えさせられる作品となっています。
結婚のすべてが不幸なワケではないし、それと対をなしてすべてが幸せなわけでもない。
夫婦とは、家族とは、どうあるべきなのか。
ドキッとするセリフや描写もあり、喉を鳴らす場面も。

もちろんドラマティックな展開も押し寄せてきて、本当に先が読めない作品です。
一体どう決着をつけるのか、張り巡らされた伏線と新展開、そしてそれぞれの”恋”の行方を見届けてください!
漫画嫌いでないなら、女性の方にぜひ読んでほしい作品です。

▼ 作品情報 ▼

恋する母たち

著者:柴門ふみ


(C)柴門ふみ / 小学館